「~からお預かりします」は正しいか、正しくないかについて解説!
また、今すぐ使える例文を日本語・英語で解説します。
敬語を正しく使うことができると、相手に好印象を与えることができます。
この記事を読んで、ビジネスもプライベートも充実させましょう!
今すぐ使える例文もあるんだね!
しかも英語の例文も載せてくれてるよ!
本記事では「~からお預かりします」について画像を使いつつ超わかりやすく解説していますので、
最後までご覧ください。
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「~からお預かりします」は正しい敬語?
では、「~からお預かりします」は正しい敬語か?解説していきます。
「~からお預かりします」は正しい敬語ではない
結論から述べると、「~からお預かりします」は正しい敬語ではありません。
なぜなら、「~から」は状態が変化したときに用いられる言葉であり、
「~からお預かりします」は状態が変化していないからです。
バイト敬語(マニュアル敬語)の一種
スーパーやコンビニで買い物をしたとき、店員さんから
「千円からお預かりします!」
と元気よく声をかけられることがあると思います。
「~からお預かりします」は、いわゆるバイト敬語(マニュアル敬語)の一種で、
業界用語のひとつです。
間違いではないという見方もあるが、結論は正しい使い方ではない
しかし、日本語に関して知見を持つ大学教授などには、
「~からお預かりします、という言葉は間違いではない」
と新しい見解を唱える人もいます。
敬語の一種である
「省略の表現を用い、ピンポイントで対象を示さないことで、丁寧な表現とする方法」
に照らし合わせると、「~からお預かりします」という用法もあながち間違いではないと考えられるのです。
千円札をもって、お買い上げ金額以上のお金を預かったことを伝えない「省略形」という見方をすれば、間違いではないという論法ならうなずけます。
ただし、この「間違いではない」という見解は、日本語の歴史に明るい人の考え方です。
国語の授業で教えられた正しい日本語は「千円(を)お預かりします」となります。
いろんな見方があるとはいえ、間違った使い方と思ってよさそうだね
私もコンビニでアルバイトしていた時に、
「1000円からお預かりします」
が無意識に口から出てしまってお客さんから指摘されたことがあるよ。
「~からお預かりします」が使われるシーン
「~からお預かりします」は正しい敬語ではないとお伝えしました。
では、この用語はどのようなシーンで使われるのでしょうか。
- おつりがある場合
いろいろな意味が言われていますが、おつりがある場合に使われる言葉だとされています。
一時的に顧客から現金を預かり、おつりとなる金額を返すというプロセスがある際に
「この金額だけをいったん預かる」
という解釈がなされます。
また会計の際に、客は買い上げ金額よりも大きな金額の札券と端数の硬貨を提示して、店側からキリの良いおつりをもらい受けることもあります。
「~からお預かりします」にはどんなニュアンスがあるのかな?
店長から教わったことがあるよ。
「お札以外の硬貨を出すことはありませんね。ではここで締め切ります」
という意味みたい。
意外と圧がある言葉なんだね。
気をつけます。
「~からお預かりします」を使わないシーン
実は、「お金を預かる(もらい受ける)」以外の解釈ではあまり使われません。
- お金を預かる(もらい受ける)以外の場合
日常生活における金銭の授受を含む
品物を預かったときには「~からお預かりします」とは使いませんので、注意が必要です。
また、日常生活における金銭の授受でも「~から」を付けた言葉は使いません。
丁寧な言葉を使い慣れていない学生アルバイトが、自分の言葉遣いが失礼に当たらないように、
「~のほう」「~から」というような冗長な言葉遣いをするようになったのではないか、
といった見方もあるようです。
文法はどうであれ、「~から」と助詞を間に挟んで言葉を装飾することで、丁寧語に聞こえることから定着したと考えることもあるようです。
理由はともあれ、「~からお預かりします」は正しい敬語ではありませんので、代わりに「~をお預かりします」を使うようにしましょう。
「~からお預かりします」の例文
「~からお預かりします」というフレーズは金銭の授受の際に使われるシチュエーションであり、日本の文法上はNGであることを前提にお話をします。
正しい日本語として使われる「~(を)お預かりします」を使って、目上の人(上司)、自分より格下の相手(部下)、同じ立場の相手(同僚)に対する例文をまとめました。
先に触れたとおり「~からお預かりします」というフレーズは
コンビニエンスストアやファーストフード店の接客でのみ使われる言葉であり、
家庭内や個人間の金銭の授受において使う言葉ではありません。
ましてやビジネスシーンで使うと
「アルバイト気分が抜けていない」
と叱責の対象になる場合があるので注意しましょう。
それぞれの例文にあげるシチュエーションは、次の通りです。
仕事の仲間内で懇親会を開くことになり、幹事役として「私」が3,000円の会費の徴収を行うことになりました。
ただし懇親会の性質上、上司は慣例として会費として5,000円とご祝儀のあわせて一万円を幹事に渡しています。
今回の例文は、「第三者を介して当該人物からの会費をもらい受けた」というよう内容になります。
メールで「私」が会費等をもらい受けたという旨を伝えているという場面を想定しています。
また、同僚からは「おつりが欲しい」というメッセージのもと、5,000円札を受け取っています。
「~からお預かりします」の例文(上司あて)
お疲れ様です。
先ほどB課長を介してA部長の懇親会の会費を頂戴しました。
ありがとうございました。
また、ご祝儀としてお気遣いをいただきました。
重ねてお礼申し上げます。
こちらも併せてお預かりし、有意義な懇親会の時間となるよう尽力いたします。
なお、当日は18時より駅前の居酒屋〇〇にて開催いたします。
駅A5出口すぐの場所にあります。
A部長には、お開きのあいさつをいただく予定です。
場所等ご不明な点がありましたら、幹事C田までご一報ください。
よろしくお願いいたします。
Thank you for your hard work.
Earlier, I received the membership fee for the social gathering of the A manager through the B manager.
Thank you very much.
In addition, we received your concern as a celebration.
Thank you again.
We will also take care of this and will do our best to make it a meaningful social gathering time.
In addition, on the day of the event, it will be held at the IZAKAYA 〇〇 in front of the station from 18:00.
It is located right next to the A5 exit of the station.
Manager A will receive an opening greeting.
If you have any questions about the location, please contact Secretary C田.
Thank you.
目上の人に対しては「お金を預かる」という表現はしません。
「いただく」「頂戴する」という表現が妥当です。
ただし、ご祝儀に関しては「いただく」と表現することは避けたいところです。
理由としては、上司が出したご祝儀は「懇親会の費用として使ってもらうためのカンパ」であり、「幹事に対するご祝儀」ではないからです。
「ご祝儀をいただく」と表現すると、「自分(幹事)の小遣いとして懐に入れた」
と受け取られる場合があるため、この場合は「お預かりする」という表現を使います。
すると、「懇親会の日に使いますよ」というニュアンスが上司にも伝わります。
「~からお預かりします」の例文(部下あて)
お疲れ様です。
先ほど経理部のE田さん経由で、D山君の懇親会の会費3,000円を預かりました。
早々の参加表明と、会費のお支払いありがとうございました。
当日は、18時に駅前の居酒屋〇〇にて行うことになりました。
駅A5出口すぐの場所にあります。
場所がわからないときは、幹事C田のLINEまで連絡ください。
それでは、よろしくお願いいたします。
Thank you for your hard work.
Earlier, I received a membership fee of 3,000 yen for the social gathering of Mr. D山 via Mr. E田 of the accounting department.
Thank you for your early participation announcement and payment of the membership fee.
On the day of the event, it will be held at 18:00 at the izakaya in front of the station.
It is located right next to the A5 exit of the station.
If you do not know the location, please contact LINE, the secretary C田.
Well then, thank you.
一番オーソドックスな例文となります。シンプルに「お金を預かった」ことを伝えています。
参加者を取りまとめる幹事役であることと、お金が絡んでいることなので、
部下(自分より立場が格下)であっても、丁寧に「預かりました」と伝えています。
「~からお預かりします」の例文(同僚あて)
お疲れ様です。
先ほど、経理部のE田さん経由で、F野君の懇親会の会費を預かりました。
早々の参加表明と、会費のお支払いありがとうございました。
今回、5,000円を預かっています。
会費は3,000円なので、2,000円のおつりが出ています。
本日これより取引先と打ち合わせがあるので、おつりは明日お渡しする予定です。
それまで申し訳ありませんが、少しお待ちください。
当日は、18時に駅前の居酒屋〇〇にて行うことになりました。
駅A5出口すぐの場所にあります。
場所がわからないときは、幹事C田のLINEまで連絡ください。
それでは、よろしくお願いいたします。
Thank you for your hard work.
Earlier, I received the membership fee for the social gathering of Mr. F野 via Mr. E田 of the accounting department.
Thank you for your early participation announcement and payment of the membership fee.
This time, I am keeping 5,000 yen.
Since the membership fee is 3,000 yen, there is a change of 2,000 yen.
We will have a meeting with our business partners today, so we will hand over the change tomorrow.
I’m sorry until then, but please wait a moment.
On the day of the event, it will be held at 18:00 at the izakaya in front of the station.
It is located right next to the A5 exit of the station.
If you do not know the location, please contact LINE, the secretary C田.
Well then, thank you.
同僚に対する内容でも、「会費を預かった、おつりが出ているので後日渡す」ことを伝えています。
同僚に対する文例なので、もう少しフランクな感覚での文章でもよいのですが、
懇親会幹事という立場上、あえて部下に対するトーンと同じにしています。
懇親会の会費より大きな金額のお金を受け取ったため「いったん5,000円を預かる」という趣旨を伝え、会費の差額2,000円をおつりとして渡すことも申し添えています。
このように、会計の根拠を文章化して伝えることも大切です。
まとめ
「~からお預かりします」はコンビニなどの店員が使う特殊な用語として定着しています。
また「~から」がつくと、金銭の授受が絡むことに特化した取引になることも覚えておきましょう。
「~から」がつくと、響きとして丁寧に聞こえる言葉ですが、日本語としては正しい使い方ではありません。
正しくは、「~(を)お預かりします」と表現します。
ビジネスや日常生活の場では使われない言葉ですので注意しましょう。
また目上の人に対しては「お預かりします」と表現はせず、「いただく、頂戴する」という言葉を用いましょう。
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